自分のやりたいことって、わかっていてもわからないものです。
なんとなくもや~っと頭や心の中に漂っているのですが、言葉にできるくらい理解することはとても難しい。
それは雲を掴むよう。
過去に歩んだ道や今現状を取り巻く環境、問題意識、等々、いろんなものが絡み合っているから、それを掴むには、ひとつひとつを丁寧に解きほぐしながら理解していくことが必要になります。
そしてやりたいことをシンプルな言葉にできたときこそ、「わかった!」となるのではないでしょうか。
言葉にできたら、「なんだこんなことだったのか」と思います。
それはそう。前から知っていたことなのですから。ただ言葉にできるほどはわかっていなかったというだけで。
私が手仕事においてやりたいこと。それは、
「伝承工芸」
でした。
伝承工芸とは
・民話的なものづくり
・個人から個人へ、世代から世代へバトンタッチされる
・政治的な枠組み(血縁、地域、会社 等)に囚われない
・時代、風土、環境に合わせて柔軟に変化するものである
・変化しながらも残るものこそ、そのものの本質である
・伝達の間で伝えきられなかった部分は、伝承者がその鍛錬を以って補うことができる
・大学のように閉じられていて開かれている
・学問的姿勢を大切にする
・その時代に生きる人々、また次の世代に生きる人々が、背筋を伸ばした幸福を享受することを願う
・ものがすべてを語るくらい、含みを持ったしなやかなものを作る
ひとまず言葉にできたのはここまで。
工芸やクラフト、手仕事についてあれこれもやもやしていたものが晴れた。
わかったからといって実現できたというわけではありません。
何かが変わったというわけでもありません。
作品も、変わっていません。
それは、北極星のような道しるべを、彼方に見つけたに等しいです。
さあ今から、「伝承工芸」に向かって、進んでいきます。