ほうきの柄に虫食い穴が開いたら、はたして修理はできるのだろうか?
先日、うちのほうきの柄から、タケトラカミキリが羽化してきました。
専門の竹屋さんから買って、切り出しの際は虫食いの跡がないか確認して、さらに制作前には再度油抜き(加熱)もしている竹の柄から生きて出てきたなんて、なんて幸運なカミキリでしょう。
と呑気なことは言ってられません。
ちゃんと確認対策していても、化学塗料のようなものを使っていない竹ですから、
後から虫がついてしまう、なんてこともあるのでしょう。
でも、殺虫剤やニスのような塗料は使いたくない。
というわけで、万が一柄に虫食い穴が開いたら修理できるのか、検証してみました。
こちらがタケトラカミキリ君の出現場所です。
まずは薄皮一枚になっているところを剥がします。
竹の穴は竹で塞ぐのが一番!ということで、
竹粉と米糊を混ぜてパテを作ります。
米糊は乾くと痩せるので、数回に分けてモールドしていきます。
乾いたらナイフで削ってヤスリがけして、
竹の形にぴったりになるようにします。
和紙を貼って、漆を塗って仕上げました。
遠目ではそういう模様かな?と思えるくらいにはなります。
(漆かぶれが心配なので、一般の方へ供する場合は、柿渋で仕上げることになるかと思います。)
消耗品であるほうきをここまでして補修する必要があるのかと言われると、
大して必要ないのかもしれません。
でも、古来日本では道具を100年大事に使うと付喪神が宿るという話です。
もし思い入れのあるほうきの柄に穴が開いてしまった、
というようなことがございましたら、お気軽にご相談いただければと思います。